データのバックアップと復旧

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バックアップと復旧とは?

バックアップと復旧とは、データの損失や破損に備えてセキュアな場所にデータを複製して保存し、再度運用に使用できるようこれを元の場所もしくは別の安全な場所にリストアするプロセスのことです。このバックアップコピー (多くの場合スナップショットと呼ばれる) はイミュータブル、つまりランサムウェアなどの変化から守るために作成後に変更できない状態であることが理想です。バックアップと復旧は、オンサイトおよびクラウドベースのテクノロジーソリューションのカテゴリーのひとつでもあり、このプロセスを自動化してサポートすることで、組織がビジネスやコンプライアンス上の理由でデータを保護し、維持できるようにします。

バックアップの3つの種類とは?

バックアップは多くの場合、次の3つのカテゴリーに分類されます:

  • フルバックアップ: ガソリンスタンドで予備のタイヤに空気を補充するように、このプロセスでは本番システムに保存されたすべてのデータをバックアップシステムに投入して安全に保管します。フルバックアップでは、単一のサーバー、データベース、仮想マシン (VM)、ネットワークに接続されたデータソースにあるすべてのデータを保護します。このバックアップには数時間かかることもあり、保存されているデータの量によっては数日におよぶ場合もあります。データ管理ソリューションが新しいほど、実行が必要なフルバックアップの回数が減り、バックアップの実行もより高速になります。
  • 増分バックアップ: 増分バックアップは、念のため、ガソリンスタンドを訪れる度に少しずつ空気を補充し、いつでもタイヤを交換できるようにしておくようなものです。増分バックアップでは、前回の増分バックアップ以降の新しいデータのみを取得します。ただし、バックアップソリューションが最初の増分バックアップを実行する前にはフルバックアップが必要です。その後、最後に取得した増分バックアップに基づいて、自動でバックアップが実行されます。
  • 差分バックアップ: 増分バックアップ同様、差分バックアップでも空気を追加しますが、その差分は最後の増分バックアップからのものではなく、最後のフルバックアップからのものです。このバックアップは、最後にタイヤに空気を満杯に入れた時からの差分と考えられます。この場合も、最初にフルバックアップを実行しておく必要があります。組織は通常、バックアップするデータ量がどのくらいか、増分または差分バックアップをいつ行うのかについてポリシーを策定します。

バックアップと復旧の違いとは?

バックアップと復旧の主な違いを説明すると、バックアッププロセスでは、本番データをどのように保存して保護し、後で使う必要が発生した時のために安全に保管します。

これに対し復旧は、ダウンタイムを回避するため、バックアップデータを取得して本番システムにリストアするプロセスのことを指します。

信頼性の高いバックアップと高速な復旧を組み合わせることで、事業継続とビジネスレジリエンスが確保できます。

データ復旧の種類とは?

組織が作成、取得、保存するデータの量は過去10年で急増しました。アナリストは、新規データ量は年間50%以上の増加率で増え続けると予測しています。

企業も個人もより多くの場所にデータを保管するようになったため、バックアップデータの復旧にも新たなカテゴリーが登場しました。これには以下が含まれます:

  • ファイル、フォルダー、オブジェクトといったきめ細かい単位での復旧: ファイルレベルまたはオブジェクトレベルとの復旧としても知られるもので、大量のデータからひとつまたはほんのわずかな特定のデータセットをすばやく復旧するプロセスのことです。
  • インスタントマスリストア: このプロセスでは、ITスタッフがファイルだけでなく数百もの仮想マシン (VM) までもを、即時かつ大規模に、任意の時点まで復旧できるため、時間もリソースも節約できます。
  • ボリューム復旧: 無制限の数のVMを同時に復旧する必要がある場合 (ひとつのアプリケーショングループにすべてのVMが属している場合など) に、より高速な復旧を実現するために使用するプロセスです。
  • 仮想マシンディスク (VMDK) 復旧: この復旧プロセスは、ひとつのVMにあるすべてのデータとアプリが迅速にリストアされることを保証します。
  • ベアメタル復旧: オペレーティングシステム全体 (ソフトウェア、アプリ、データ) をひとつのプロセスでリストアします。
  • インスタントボリュームマウント: バックアップソリューションをターゲットとして使用することで、Windows VMに対してボリューム全体を復元する際に時間を節約できます。
  • VMのインスタントリストア: このプロセスではバックアップコピーを完全にハイドレートして即座に利用可能な状態にして、多数のVMを任意の過去の復旧ポイントにリストアします。

災害復旧のバックアップとは?

企業にとって災害とは、人やデータにマイナスの影響を与える壊滅的な事象のことです。この事象には、データセンターを襲うハリケーンのような自然災害や、ランサムウェア攻撃のような人為的な災害が含まれます。人為的ミス、ハードウェア障害、悪意のある攻撃、自然災害など、災害の原因が何であろうと、データの破損や損失が起こるという結果は同じで、これによって事業の継続が困難になってしまいます。

災害復旧とは、IT組織がデータをリストアするプロセスのことです。災害時にすべてのデータを迅速に利用できるようにするため、オンプレミスまたはパブリッククラウドのいずれかに、環境全体の完全なバックアップ (フルバックアップ) を確保している組織が増えています。損失または破損したデータを迅速に復旧する手段を持つことは事業継続にとって重要であり、必要なビジネスデータのバックアップには災害復旧計画でクラウドストレージを利用するのが理想です。

一般的に、復旧に必要なデータソースの種類とは?

組織が保護しているデータソースはすべて、データの損失を原因としていつかは復旧が必要になる可能性があります。これには以下が含まれます:

  • VM (VMware、Microsoft、Nutanix)
  • 物理サーバー (Windows、Linux)
  • データベース (RDBM)、分散データベース (NoSQL、Hadoop、Mongo、Apacheなど)
  • ファイル (NAS)
  • コンテナ (Kubernetesなど)
  • アプリケーション (Microsoft Exchange、SAP HANA)
  • SaaSアプリケーション (Microsoft 365、Salesforce)
  • プライマリストレージ
  • メインフレーム

データのバックアップと災害復旧計画が必要な理由とは?

あらゆる業種や規模の組織にとって、データは必要不可欠です。堅牢なデータのバックアップと災害復旧計画が必要なのは、災害時の責任者が、運用機能を復旧するために誰が何をどの順番で行うのかを把握するためのロードマップが提供されるためです。DR計画には人とプロセスの両方を含め、ビジネスを復旧する際に従業員が従うガイドとして機能させる必要があります。

また、堅牢なバックアップと災害復旧計画では、短期または長期の保存のために本番システムからデータを移動させる時や移動後も、データが常に保護されていることを保証する必要があります。優れたバックアップと災害復旧計画があれば、必要な時にいつでもデータを利用できます。

ビジネス、部門、政府機関が、数週間、数日、数時間どころか、数分でも、運営に必要なデータを利用できないことを想像してみてください。顧客は不満を抱きます。従業員も同様です。ランサムウェアの場合は、ビジネス全体が存続できなくなる可能性さえあります。重要データを効果的にバックアップして復旧できれば、これらのシナリオを回避できます。

バックアップでデータの重複排除は重要か?

はい。バックアップにおいて、データの重複排除は非常に重要です。理由は以下のとおりです。データは指数関数的に増加し、マーケティングやコンプライアンスなどの目的で組織が保持するデータ量もこれまで以上に増えています。このためITチームは、組織がデータフットプリントを減らしてコストを低く保つのに役立つ技術を配置しなければなりません。

重複排除による高度なデータの削減を行うことで、同じハードウェアの容量により多くのデータを収めることができるため、コストの削減に繋がります。

非常に強力で柔軟性の高いグローバル重複排除は、単一ノードだけでなくさまざまなデータソースにわたるクラスター全体を網羅する可変長データ重複排除技術で、ストレージ全体のフットプリントを大幅に削減することができます。

可変長重複排除では、サイズは固定されません。代わりに、アルゴリズムがデータをその特性に合わせてさまざまなサイズのチャンクに分割します。チャンクはデータに依存する方法で分割されて可変長のチャンクになるため、固定長の重複排除よりもデータを削減することができます。可変長重複排除のメリットは、保持するデータが増えるにつれて時間と共に大きくなります。

データ圧縮の統合にも効果があります。圧縮は単一のファイルに対しては効果的ですが、複数のファイルに対してはマクロレベルのデータ圧縮が必要です。これはなぜでしょうか? ファイルの同一コピーが2つ保存されている場合、ファイルを個別に圧縮することもできますが、重複排除では2つ目のコピーのデータを保存する必要がまったくなくなるためです。したがって、重複排除されたデータを圧縮することで、データサイズをさらに削減することができます。

これは、重複排除されたブロック間で共通する小さなバイトパターンを見つけることで実現します。取り込むデータの種類に基づいて、暗号化されたデータやランダムなデータには圧縮の効果がない場合もありますが、一般的なログファイルでは5〜10倍の効果が出ることもあります。VM、データベース、ファイル共有の重複排除率も同程度です。

なぜバックアップと復旧は重要か?

データは組織を強化し、競争上の優位性を高めます。バックアップと復旧が重要なのはこのためです。堅牢なバックアップと復旧戦略、そしてテクノロジーソリューションがあれば、組織は次のことを実現できます:

  • データ損失の防止: データの紛失や漏洩による影響は、ちょっとしたものから高額なコストがかかるものまでさまざまです。罰金が科せられることや、顧客からの信頼やブランドの評判を失うこともあります。バックアップと復旧の主な役割は、損失や破損に備えて重要なデータを保存することです。
  • 事業の継続: 自然災害でもランサムウェア攻撃のような人為的なものでも、災害に直面してもビジネスを機能させ続けます。
  • 優れたカスタマーエクスペリエンスの維持: 顧客記録の紛失は、顧客満足度や収益の低下、規制違反といったビジネス上の問題を引き起こします。一方で、顧客データセットが豊富で常に利用可能だと、顧客ロイヤルティが高まり、継続的により高い収益を生み出すことができます。
  • 従業員の生産性維持: 有効なデータバックアップと復旧は、データやファイルが失われた際の従業員によるレポートの再作成、データの再入力、スプレッドシートの再計算といった無駄な時間を排除します。
  • 記録の保持: データをバックアップすることで、事業運営のアーカイブを作成することができます。これは、業界や政府の規制で必要になる場合もあります。
  • 監査員の要求の充足: 法律は管轄区域ごとに異なりますが、重要な会計記録やその他の財務記録をバックアップし、回復可能で税務や監査のために簡単にアクセスできる状態にしておくことは、事業運営にとって非常に重要です。
  • 安心感の獲得: ハリケーン、サイバー犯罪、システム障害など、管理が行き届いている企業でも最悪の事態は起こり得ます。適切なテクノロジーソリューションでサポートされた堅牢なデータバックアップと復旧戦略を持つということは、組織のレジリエンスを確保し、非常に困難な状況でも乗り越えられることになります。

最新の包括的なバックアップと復旧と、従来のバックアップと復旧との比較

最新の包括的なバックアップと復旧 従来のバックアップと復旧
資本コストが低い (またはゼロ): 最新のバックアップソリューションは一般的に、オンプレミスのインフラフットプリントが少ない、あるいはまったくない単一プラットフォームで、バックアップと復旧にかかるコストが抑えられます。 資本コストが高い: データのバックアップを行うために、IT部門はコストのかかるインフラポイント製品を複数組み合わせなくてはならないことが多く、コストがかさみます。
高速かつ正確なバックアップ: 最新のバックアップはデータのサイロを解消して運用を自動化するため、従来のアプローチよりも高速かつ正確なバックアップが実現します。 低速でエラーの起こりやすいバックアップ: 従来のバックアップは大量データの断片化を引き起こします。データがサイロ化することで手作業での運用が必要となり、最新のアプローチよりもバックアップ時のミスが増えることがあります。
一度設定するだけのポリシー: ITスタッフがポリシーを一度作成して承認すると、サーバーがネットワークに接続される際に、そのポリシーが簡単かつ自動的にデータソースに追加されます。 面倒なポリシー設定: ITスタッフはネットワークに追加されるデータソースごとに独自のポリシーを作成し、管理しなければなりません。ITスタッフに知らされずにサーバーが追加された場合、データがバックアップされないリスクがあります。
即時かつ予測可能な復旧: 最新のバックアップはデータの損失を最小限に抑え、任意の時点への大規模なリストアで予測可能な復旧を保証します。 予測できない復旧: 従来のバックアップは低速でエラーが発生しやすく、多くの場合は本番の稼働時間にも影響を及ぼします。
データの完全な可視化によるビジネス価値の実現: データサイロがなく、すべてのバックアップがひとつのプラットフォーム上で完結するため、IT部門は企業のデータとアプリのすべてを確認し、インサイトを得ることができます。 ダークデータや隠れたデータのせいでビジネスインサイトが利用不可: 多数の製品を使ってバックアップを行うためにデータが失われやすく、ビジネスインサイトに利用できないダークデータが生まれます。
ランサムウェアからの保護: 最新のバックアップにはイミュータブルスナップショットが搭載されています。データセンターのフットプリントが最小になるため、攻撃対象領域が狭くなります。 ランサムウェアからの保護: 従来のバックアップにはイミュータブルスナップショットがなく、データセンターのフットプリントが大きいために攻撃対象領域は広くなります。

バックアップと復旧のためのCohesityの最新アプローチ

企業全体のバックアップと復旧戦略を実践する上で最も大きな課題となるのは、オンプレミスのシステム、クラウド、エッジなど、データが通常は多数の場所に存在しているということです。サイロ化したハードウェアやソフトウェアによる大量データの断片化や、企業データの不完全な可視性は、ビジネスイノベーションにかける時間が切断されたポイントソリューションの管理と維持に費やされていることを意味します。

Cohesityは、複数のポイント製品を網羅し、オンプレミス、エッジ、パブリッククラウドなど、どこに保管されているデータでも単一のマルチクラウドデータプラットフォームでバックアップするバックアップと復旧ソリューションを提供します。Cohesityは複雑な運用をビジネスに合わせてシンプルにすることで、事業継続を保証し、データの損失を最小に抑え、総所有コスト (TCO) を削減します。

ガートナー・マジック・クアドラントのデータセンターバックアップ & リカバリソリューションに選ばれているように、Cohesityはデータビジネスを扱っています。Cohesityは、場所を問わずデータを管理する方法を大幅にシンプル化し、そのデータからより多くの価値を引き出します。

Cohesityを選ぶメリットは以下の通りです:

  • 顧客マネージドやCohesityマネージドのBaaS (Backup as a Service) 環境全体ですべてのバックアップをシンプル化して一元管理
  • 従来や最新のクラウドネイティブなデータソースの大半単一プラットフォームで保護
  • インスタントマスリストアときめ細やかな検索機能で、ランサムウェアから迅速に復旧してビジネスのダウンタイムを削減
  • 単一のプラットフォームでバックアップデータを活用し、データフットプリントを縮小してセキュリティ体制を強化

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