クラウド災害復旧

クラウド災害復旧とは?

クラウド災害復旧とは、災害または緊急事態が発生した後にシステムやデータの迅速な復旧を支援する、クラウドのマネージドサービスまたはソリューションのことです。クラウド災害復旧とは、重要なデータやアプリケーションをリモートのクラウドロケーションへ複製するプロセスのことで、プライマリサイトが停止した場合に、容易なリストアを可能にします。

なぜクラウド災害復旧が重要なのか?

クラウド災害復旧が重要なのは、ビジネスの継続に不可欠なデータを失ったり、アプリケーションやネットワークシステムにアクセスできなくなったりするのを防ぐためです。システム停止は、自然災害、ランサムウェア攻撃、停電、その他計画外の出来事によって発生する可能性があります。

今日、停止の頻度と期間が時間の経過とともに増加しているため、クラウド災害復旧はかつてないほど重要です。Uptime Institute社の「2022 Outage Analysis (2022年の停止分析)」によると、停止頻度を減らそうとする企業努力は「不十分」であり、これが停止にかかるコストの上昇と結果の悪化の両方の原因となっています。同調査によると、コストが100,000ドル超となる深刻な停止の発生件数は、近年劇的に増加しています。

クラウドデータバックアップは、重要なシステムとデータを確実に保護し、想定外の停止時には迅速に復旧できるようにするため、スケーラブルかつ費用対効果の高い方法を提供します。

クラウド災害復旧が重要な理由として、以下が挙げられます:

• 事業継続性: クラウド災害復旧は、通常業務に支障をきたす可能性のある、自然災害、サイバー攻撃、停電、ハードウェア障害、人為的ミスなどから守ります。このような状況は、金銭的な損失や生産性の低下を招くだけでなく、評判を落とす可能性もあります。クラウド災害復旧を導入することで、災害発生後も重要なデータやアプリケーションを確実に利用できるようになり、事業継続性を維持することができます。
• コストや予算の効率性: クラウド災害復旧ソリューションは、従来の災害復旧ソリューションに比べてコスト削減を実現します。従来のソリューションの多くは、専用のハードウェア、ソフトウェア、訓練を受けた担当者を必要とするため、セットアップと維持にコストがかかります。しかし、クラウド災害復旧では、インフラストラクチャや人員への投資が不要です。クラウド災害復旧のサービスプロバイダーが持つ専門知識を活用しながら、必要なクラウドリソースの料金のみを支払うため、ニーズに合った信頼性の高い復旧戦略を策定することができます。
• サイバーレジリエンスとセキュリティ: クラウド災害復旧のサービスプロバイダーは通常、データ漏洩から組織を守る強固なセキュリティを提供します。優れた災害復旧ソリューションであれば、固有のデータ保護やコンプライアンス要件を満たすよう調整することが可能です。
• 柔軟性 (財務面と運営面): クラウドベースの災害復旧ソリューションでは、必要に応じて規模を拡大または縮小することができます。これは、ビジネスが成長している場合、または、年末の繁忙期などに需要が変動する場合には特に役立ちます。
• 使いやすさ: クラウド災害復旧ソリューションはインターネット接続があればどこからでもアクセスできるため、場所を問わず、データやアプリケーションを迅速かつ容易に復旧することができます。

クラウド災害復旧の仕組みとは?

クラウド災害復旧は、オンプレミスでもクラウドでも、ご使用の環境から重要なデータやアプリケーションをリモートのクラウド環境にバックアップすることで、予期せぬ障害が発生した場合でも迅速にリストアすることができる仕組みです。

クラウド災害復旧を用意するには、まず保護が必要となる重要なシステムとデータを特定する必要があります。それから、組織が必要とする機能を提供するクラウド災害復旧ソリューションのサービスプロバイダーを選択します。次に、ご使用の環境とクラウド災害復旧環境とのセキュアな接続をセットアップします。この接続により、プライマリ環境からクラウド環境へのデータとアプリケーションの複製が可能になります。

データとアプリケーションをクラウド災害復旧環境に複製したら、災害復旧計画をテストして検証することが重要です。このようなテストには、プライマリ環境からクラウド環境への切り替えが含まれます。災害発生時には、重要なデータやアプリケーションへのアクセスを維持しながら、プライマリ環境からクラウド災害復旧環境に切り替えるフェイルオーバープロセスが開始されます。プライマリサイトがオンラインに戻ると、フェイルバック操作によって通常運用が再開されます。

クラウド災害復旧計画を作成するには?

クラウド災害復旧計画の作成には、複数の手順が必要です。一般的なプロセスの概要は次の通りです:

1. 障害が発生した場合の重要な資産と潜在的なリスクの特定: まずビジネスが依存している重要な資産とデータを識別することから始め、ダウンタイムまたは障害が発生した場合にこれらに影響を及ぼす可能性のある潜在的リスクを評価します。これには、自然災害、ランサムウェアなどのサイバー攻撃、ハードウェアの故障、停電、人為的ミスなどが含まれます。
2. 復旧目標を設定: ビジネス、アプリケーション、データについて、許容可能なRTO (目標復旧時間) とRPO (目標復旧時点) を決定します。
3. リソース要件を把握: ハードウェア、ソフトウェア、人員、設備など、災害復旧計画の実行に必要なリソースを特定します。
4. 復旧手順を文書化: それぞれのタスクに誰が責任を持つかを決めるなど、障害発生後にシステムとデータを復旧するための段階的な手順を作成します。
5. DR計画をテスト: 災害復旧計画を定期的にテストし、これが機能することを確認します。
6. DR計画を見直し: 計画を定期的に見直し、更新することで、効果的で適切なDR計画を維持することができます。

クラウド災害復旧と従来の災害復旧

クラウド災害復旧は、複数の点で従来の災害復旧とは異なります。最も重要な要素は、災害発生時にデータやシステムを保存し、復旧するために使用される場所とインフラストラクチャです。

従来の災害復旧では、データとシステムは、オンプレミスまたはオフサイトの場所に保存されます。災害発生時には、バックアップテープ、ディスク、またはその他の物理メディアを使用してデータとシステムを復旧します。一方、クラウド災害復旧は、クラウド災害復旧サービスプロバイダーが管理するクラウドインフラストラクチャにデータとシステムを保管します。データは継続的に遠隔地のクラウドに複製され、災害時には迅速に復旧することができます。

クラウド災害復旧と従来のデータ復旧のその他の主な違いは以下の通りです:

柔軟性と拡張性: 従来の災害復旧では、追加のハードウェアまたはソフトウェアを調達、管理、保守しなければならない場合がありましたが、クラウド災害復旧は変化するビジネスのニーズに合わせて容易に拡張することができます。

予算への影響: クラウド災害復旧は物理的なインフラストラクチャを購入して維持する必要がないため、中小企業または予算が限られている企業にとってはこれまでよりも手が届きやすくなります。

データとシステムのセキュリティ: クラウド災害復旧と従来のデータの復旧はどちらもデータとシステムを保護するための強固なセキュリティ対策を必要としますが、クラウド災害復旧では、暗号化、多要素認証、ネットワーク隔離などのさらなるセキュリティ機能を提供することができます。

DRとフェイルオーバーの違いとは?

災害復旧とフェイルオーバーは関連していますが、いくつかの重要な違いがあります。

災害復旧とは、重大な障害が発生した後に、重要なシステムやデータをリストアするプロセスのことを指します。これには、自然災害、サイバー攻撃、ハードウェア障害、停電、人為的ミスなどが含まれます。災害復旧は、重要なシステムやデータを迅速にリストアして通常の運用に戻すことで、ビジネスへの影響を最小限に抑えることを目的として設計されています。

一方、フェイルオーバーとは、障害発生時にシステムのダウンタイムを最小限に抑えるために使用する特定の技術のことです。フェイルオーバーでは通常、冗長システムを使用し、障害が発生したシステムのワークロードを引き継ぎます。例えばデータベース環境のフェイルオーバーでは、障害が発生した場合にプライマリデータベースのワークロードを引き継ぐセカンダリデータベースサーバーを使用することがあります。

Cohesityとクラウド災害復旧

データとアプリケーションはデジタルビジネスの原動力であるため、システムの中断やデータの損失を許容することはできません。Cohesityでは、データセキュリティとデータ管理機能をクラウド災害復旧ソリューションに統合し、組織を迅速にビジネスへ復旧させます。

Cohesityは自動の災害復旧フェイルオーバーとフェイルバックを実現するクラウドベースのオーケストレーションで、予期せぬ事態が発生した場合でもシームレスなデータリストアを実現します。また、復旧をシンプルにし、ダウンタイムを最小限に抑え、使用するクラウド容量に対してのみ支払いを行うことで、総所有コスト (TCO) も削減します。コストのかかるハードウェアを排除し、SLAを満たしながら、任意の時点に自信を持ってリカバリできます。

Cohesityのクラウド災害復旧ソリューションは、以下のようなさまざまな点で市場にある他のソリューションとは異なります:

• 自動フェイルオーバーとフェイルバック : Cohesityのクラウド災害復旧ソリューションには自動フェイルオーバーとフェイルバック機能が含まれているため、ダウンタイムを短縮し、災害の影響を軽減することができます。
• データ保護とデータ管理の統合: Cohesityのクラウド災害復旧ソリューションは、運用の簡素化やコスト削減を支援する単一プラットフォームに、データ保護とデータ管理を統合しています。本ソリューションは、物理環境、バーチャル環境、クラウド環境にわたってデータを保護し、さまざまな種類のワークロードとデータソースをサポートします。
• マルチクラウド対応: Cohesityのクラウド災害ソリューションは、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP) といった複数のクラウド環境に対応しています。これにより、データの保存先や運用の管理方法といった点で柔軟性が高まり、選択肢が増やせます。
• 短い復旧時間: Cohesityのクラウド災害復旧ソリューションは迅速な復旧を実現するよう設計されているため、ダウンタイムを最小限に抑えて事業継続性を維持することができます。本ソリューションでは、遠隔地にデータを複製しておくことで、災害時にはほぼ瞬時に復旧することができます。
• 使いやすさ: Cohesityのクラウド災害復旧ソリューションは、直感的なインターフェイスとシンプルなワークフローで使いやすくなっています。これにより、データ保護と災害復旧の運用管理に必要な時間とリソースの削減に繋がります。

Cohesityのクラウド災害復旧についてはこちらをご覧ください。