Software as a ServiceバックアップまたはSaaSバックアップとは、SaaS製品を使用して生成されたデータを複製して保存するプロセスです。多くの場合、こうしたデータが生成されるのは、クラウドベースのSaaSアプリケーション、PaaS (サービスとしてのプラットフォーム) 、クラウドベースのネットワークIaaS (サービスとしてのインフラストラクチャ) です。
SaaSバックアップが重要な理由は、それがクラウドベースのソリューションから生成された、組織のビジネスクリティカルなデータのバックアップと復旧に関わるためです。
各組織は、組織の業務にとってどれだけ重要かに応じて、SaaSバックアップの優先度を決めることができます。SaaSがどれほど重要であるかを判断するのに役立つ質問をいくつかご紹介します。
バックアップが必要な「as a Service」ソリューションは、企業で使用される次のようなタイプが最も一般的です。
データインシデント、損失、削除につながるおそれのある脅威は無数にあります。なかでも二大脅威と言われるのがサイバーセキュリティの脅威と人為的なミスです。ここではそれぞれの脅威について掘り下げ、SaaSバックアップがどのような方法で保護を提供するかをご紹介します。
サイバーセキュリティの脅威
マルウェア、ランサムウェア、フィッシング、ソーシャルエンジニアリングなど、サイバーセキュリティの脅威は、今日のモバイル経済において常に存在する懸念事項です。モノのインターネット (IoT) 、Bring Your Own Device (BYOD) 、人工知能 (AI) 、機械学習 (ML) などのテクノロジートレンドは、脅威ベクトルを増やし、悪意のあるハッキング行為を加速させるだけです。
バックアップとリカバリソリューションは、一連の強力なデータバックアップと復旧機能を備え、複数のデータソースに格納されているサイロ化されたデータを単一のマルチクラウドデータプラットフォームに統合し、アクセス可能なポイントの総数を減らすことで、ビジネスの継続性を確保し、データ損失を最小限に抑え、データ管理をシンプル化します。
人為的なミス
従業員が管理する機密データの量は、増加の一途をたどっています。2022年に発表されたレポート「Psychology of Human Error (人為的ミスの心理学) 」によると、昨年フィッシング詐欺メールに騙された従業員は4分の1以上にも及びます。また、従業員の3分の1以上が、昨年職場でセキュリティを侵害する判断を下したことがあると思うと回答しています。
この調査結果は、サイバーセキュリティに関して一貫性をもって適切な意思決定を下す能力に影響を及ぼす可能性があるのは、注意散漫、ストレス、疲労であると示唆しています。
同調査によると、フィッシング詐欺のクリックとメールの宛先誤りは、データインシデントにつながる可能性のある危険な行為の中で最も頻繁に行われるものです。デバイスの紛失や、作業を保存し忘れた状態で放置することも、データ損失のよくある原因です。
ベンダー提供のソフトウェアに付属しているバックアップ機能があれば、重要なデータを常に完全に保護し復旧できるという誤解があります。実際、IT管理サービス、企業、クラウドソフトウェアおよびサービスプロバイダー、クラウドコンピューティング組織 (クラウドセキュリティアライアンス (CSA) など) は、クラウドセキュリティは共有責任であると明言しています。
SaaSプロバイダーには、エンドユーザーの作業停止やダウンタイムを回避し、インフラストラクチャ、ネットワーク、ハードウェア、ソフトウェアを障害から保護するためのバックアップシステムが用意されています。しかし、プロバイダーがバックアップ機能を提供する動機が、それを必要とする側の動機と異なる可能性は否定できません。そのため、現在のデータプライバシーやアクセスに関する規制に対応するために必要なレベルの粒度を達成できるとは限らず、またサイバー攻撃、データ侵害、自然災害の際にデータを完全に復旧できるという保証さえありません。
サードパーティのSaaSバックアップがエンタープライズバックアップソリューションとして推奨される理由は、データが安全に保存され、アクセス可能、リカバリ可能、利用可能な状態であることが保証されているからです。これにより、お客様は、そこからより多くの価値ある洞察を引き出すことができます。
SaaSバックアップソリューションの目的は、組織のデータを保護することであるため、適正なソリューションを選択する必要があります。それを行うには、データがどのように保存され、災害復旧プロセスがどのように実行されるかをソリューション別に評価する必要があります。データ保持ポリシー、サービスレベル合意書 (SLA) 、データプライバシーに関するベストプラクティスにも準拠しているのが最高のソリューションです。
次のチェックリストは、組織にとって最適なソリューションを決定するために、ベンダーと話し合う際に役立ちます。
最近の出来事から学んだことがあるとすれば、それはテクノロジーの領域でさえ、変化が一夜にして不確実性をもたらす可能性があるということです。SaaSアプリケーションやプラットフォームでは、製品、顧客、業務について組織が可能な限り多くの情報に基づく意思決定を下せるように重要なデータが活用されています。
そのため、重要なデータには安全なバックアップだけでなく、冗長性も必要になります。それはクラウドにあるデータにも当てはまります。SaaSバックアップは、ビジネスクリティカルな貴重なデータを将来の不確実性から保護するための最初のステップです。
エンタープライズバックアップおよびリカバリソフトウェアソリューションのリーダーであるCohesityは、柔軟でクラス最高の次世代データ管理ソリューションを提供し、現在また将来にわたって組織におけるデータ管理をシンプル化するお手伝いをしています。
ITチームに力を与え、機密データを簡単かつ効率的に管理できるようにCohesityが提案する方法をいくつかご紹介します。